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行動観察/エスノグラフィー

エスノグラフィ調査は人類学者が各文化の行動様式を解析し異民族を理解するためのアプローチです。近年ではビジネス領域への採用により、「生活者」の日常行動を包括的に知ることで、潜在的な価値や欲求を見出す仮説探索、発見型の手法として注目を浴びています。

エスノグラフィ調査は、グループインタビューなどで記憶をたどりながら発言される内容よりも“リアリティのあるデータ”が集められます。また、同じ生活者の毎日の暮らしを紡いだデータが分析できるため、一般的なアンケートでは把握しきれない、その人の価値観や行動、嗜好などの関連性を理解することができます。

生活者自身が気が付いていないことは、話すことも出来なければ文章にすることもできせん。レアソンのエスノグラフィ調査は、被験者の生活様式や行動、発言などを非言語情報も含めて包括的に洞察し、「生活者さえも気づいていない、生活者のニーズ」を把握するための『入り口』として、ニーズを創造するための仮説づくりに効果的に活用していただけます。

行動観察/エスノグラフィー事例

対象者抽出
アンケート
性別:女性  年齢:45歳  家族:夫(49歳)、息子2名(高1、中2)
普段の様子:
毎日10時から17時までパートタイムで仕事をしている。
ジャニーズが好きで、コンサートに行くのが楽しみ。嵐が一番好き。
食については、最近ヘルシー志向に目覚め、玄米も炊くし、品数も増やしている。
デプス
インタビュー
【個人ヒストリーの確認~1日のスケジュール確認】
食についての考え方、行動を把握。今までの変遷を含める。
<抜粋>お米は毎日炊く。やっぱり炊きたてが一番。
1日のスケジュールのタイムテーブル
日記
【日記の内容】
ご飯はタイマー予約で毎朝7時に炊けている。助かる!夕べのハンバーグの残りと卵を焼きました。息子たちは2食同じものでも旺盛に食べてくれる。食にうるさくないから助かります。夫は不満気だったけど朝からケンカしたくないので、放っておきました。
会議室で「ヒルナンデス」を観ながら、同僚と食べる。カレーにこんにゃくが入っててびっくり。ヘルシーな感じがしてウチでも今度やってみよ!と決意固めました(笑)
帰りに晩御飯が一品くらい足りない気がしたのでスーパーでスパゲティサラダを買っちゃった。2割引きだったし。今夜は肉・野菜いため。味付けはモランボンジャン。時間がないので煮物とかは無理だなぁ、やっぱり。予備校から帰ったお兄ちゃんのご飯を最後に片付けをして、余ったご飯を例と。お米を研いで本日終了。今夜は久々にジャーの内蓋を洗ったけど、結構頑固な汚れで、もうちょっとこまめにやろうと反省。
自宅・
職場訪問
事前の様々な調査と日々の日記のやりとりから、親しくなった対象者宅を訪問。その人が暮らす空間から見えてくるものを把握する。
  • なぜこんなに使いづらいところに炊飯器があるのか
  • 炊きたてが一番と言っているのに、12時間以上保温しているのはなぜか
  • なぜドンブリ茶碗がこんなに沢山あるのか
  • なぜおしゃもじがこんなに沢山あるのか
  • なぜレトルト食品やインスタントラーメンがこんなに積んであるのか
  • なぜ予約をするときに時間がかかっているのか
デプス
インタビュー

気づきを共有
さらに理解が深まった対象者を再びインタビューし、今まで聞いてきた、見てきた様々なことから得た「気づき」を共有し、インサイトを引き出す段階。
<炊きたてが一番なのに、朝炊いたご飯をずっと保温して食べている>
「炊きたてのご飯が一番美味しいけれど、育ち盛りの息子たちのために、ご飯がいつでも沢山あることの方が大切なのかも」
<品数多くしていると言っているが、日記では多くて3品>
「おかずをご飯にかけて出すことが多いから、あと2品あれば文句を言われない気がする」
<玄米がストックされているが、日記ではほとんど出番なし>
「自分は体のために玄米を食べたいが、家族が嫌がるので、炊いたときは、1人で全部食べなきゃいけない。それって、却って健康に悪い感じがして…」
<夜のご飯の始末、翌日の準備がないと睡眠時間UP。朝子どもが食べている時に出来るのでは?>
「みんなが食事できる時間が決まっている朝が、揃って炊きたてを食べられる。家族全員が一番美味しいご飯を食べられる。一日の始まりとしてはいいんじゃない?」
等々、ここまでのたくさんの気づきを確認。

活用方法(例)

エスノグラフィ調査は、以下のような取組と組み合わせると効果的です。

  • ・潜在的なニーズの量的把握のための定量調査
  • ・潜在的なニーズを軸としたセグメント開発のための定量調査
  • ・重要なセグメントから代表的なユーザーを選んでデプスインタビューし、ペルソナ開発
  • ・ペルソナを中心としたコンセプト開発
  • ・コンセプト検証のための調査
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